人々が”海”に対して抱く畏怖の念が集積され、呪霊と化した存在。行動を共にしていた他の特級呪霊である真人(まひと)や漏瑚(じょうご)に比べて口数も少なく、また、その姿も当初は「幼体」とでも呼ぶべき不完全なものであった。
しかし、他の特級呪霊に対する尊敬心や、人間に対する憎しみは非常に強く持っており、七海 建人(ななみ けんと)や禪院 直毘人(ぜんいん なおびと)、禪院 真希(ぜんいん まき)と対峙した際には「成体」に変態し、領域展開で迎え撃った。
目次
術式・技
※放水
海を司る呪霊らしく、大量の水を生成して放出する術式。同じく水を放出する術式としては、伏黒 恵(ふしぐろ めぐみ)が使役する式神である”万象”が思い出されるが、陀艮が生成する水量は万象とは比較にならない程に大量であり、渋谷駅地下の1フロアを水深2mまで満たすほどである。また、一度生成して放出した水を再度吸引する事もでき、渋谷駅地下では水に呑まれて溺れた人間を水と共に吸引して、捕食する事にも使われた。
※水の障壁
陀艮が生成する水は「放水」だけでなく、密度を高めて自らの周囲に張り巡らせる事によって、敵の攻撃を防ぐ障壁としても利用する事ができる。これを打ち破る為には、七海、直毘人、そして真希による三者同時の高速連撃が必要であった。※術式の名称に関しては名言されていない為、管理人による仮称とした。
領域展開・蕩蘊平線(たううんへいせん)
この蕩蘊平線は海と砂浜、即ち”ビーチ”を具現化した領域であり、他の多くの領域展開と違って陀艮本人に攻撃の意思が無ければ、閉じ込めた対象に何らのダメージや効果も与えない点が大きく異なる。死累累湧軍(しるるゆうぐん)
死累累湧軍とは、展開された生得領域である蕩蘊平線の中でのみ発動できる「際限なく湧き出る魚の式神」である。一見すると陀艮本体の周囲に出現し、敵に目掛けて発射されているように見えるが、実際には陀艮と対象の間の空間に何らの前触れもなく出現する”必中”の術式である。
禪院 直毘人は、これを防御術の奥義である秘伝・落花の情(らっかのじょう)で弾き落として防いだが、特段の防御術を持ち合わせていなかった七海は、これを防ぎ切る事ができずに左眼を失う事となった。
性格・体質・生い立ち
・同じ特級呪霊である真人や漏瑚、花御(はなみ)と共に、その集合時から居合わせてはいたが、何故か実戦に参加したのは渋谷に於ける呪術テロが初めてである。
これは推測に過ぎないが、かつて花御が語っていたように、地球を本来の姿に戻す為には人間を滅ぼす必要があるが、さりとて人間の中にも「星に優しい人間」が居る事を知っていたので、成体化するのが遅れていた可能性がある。
最期
七海や直毘人の後から陀艮の領域に突入してきた伏黒 恵が、同じく領域展開・嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)で蕩蘊平線を押し戻そうとした際、僅かに外界と通じる”穴”が出現した。当初は、この穴から一人ずつ外界へ脱出する手筈であったが、呪詛師のオガミ婆が孫の肉体に降霊した伏黒 甚爾(ふしぐろ とうじ)が突如として穴を通って乱入する。甚爾は、真希が手にしていた特級呪具・游雲(ゆううん)を奪い取ると、陀艮に反撃の隙を一切与えない程の猛攻に次ぐ猛攻を仕掛ける。
果たして游雲の効果なのか、はたまた連撃によって回復が追いつかない程のダメージを受けた結果なのか、いずれにせよ、陀艮はこの猛攻の前に倒れて死亡し、領域は消失した。
台詞
声優:遠藤 綾(幼体),三宅 健太(成体)
「ぶふぅーぶー」
「我々には 名前があるのだ!!」
「海は 万物の生命 その源」
公式人気投票
投票総数 | 得票数 | 順位 | |
第1回 | 163,066票 | 186票 | 第46位 |
第2回 | 97,860票 | 31票 | 第46位 |
初登場
【第2巻】第10話「雨後」
漏瑚が特級呪霊を代表して夏油(偽)と当座の行動方針を話し合う為に会合した際、一応は後ろから付いて行き、立ち寄った喫茶店内にも同席していた。ただし、この時点では「ぶふぅー」という鳴き声のような音を発するのみであり、言葉を用いた意思疎通が可能だったのか否かは判然としない。